[トレイル練習] 大台ヶ原 大杉谷コース(大台ヶ原駐車場~シシ渕(クグリ)ピストン往復)

トレラン練習

 シルバーウィーク後半、他のメンバーとは予定があわず、どうしようかなぁと思っていたのですが、非常に良いお天気だったので大台ヶ原の大杉谷へボッチでいってきました。大杉谷といえば滑落死亡事故が多いコース、加えてボッチということで、念入りに時間計画をたてると共に登山届も準備。家族にも、夜になっても連絡がなかったらYAMAPの登山保険に入ってるので捜索呼んでねと言い残して、かなり弱気な出発。

コースなど概要

【走った日】2021年9月23日(木) 8:30 ~ 17:00
【距離など】26.2km (累積標高 1,829m) ※Garminの値による
【走った人】うえっち(ぼっちラン)
【コース概要】
  大台ヶ原ビジターセンター(駐車場)~ 日出岳(大台ヶ原山) ~ 粟谷小屋 ~ 堂倉滝 ~ 光滝 ~ 崩壊地 ~ 七ツ釜滝 ~ 桃の木山の家 ~ 平等グラ ~ シシ渕(クグリ)<折り返し> ~ 平等グラ ~ 桃の木山の家 ~ 七ツ釜滝 ~ 崩壊地 ~ 光滝 ~ 堂倉滝 ~ 堂倉避難小屋 ~ 日出岳 ~ 大台ヶ原ビジターセンター

例によって全然わからないですね(笑)(時間あれば登山地図にgpx重ねますわ)
少し正確に(慎重目に)時間見積もりをしています

大台ヶ原ビジターセンターから日出ヶ岳

 6:00 頃に家を出発、8:30頃到着かと思ってましたが、最後の大台ヶ原ドライブウェイが長くって、8:40頃の到着、トイレ行ったり、ビジターセンターでお水いただいたりしてると9:00前の出発に。駐車場は200台程度とのことですが、この日のこの時間で、7割程度停まっていました。秋は大渋滞と聞きます。

工事中ですが、通常通り営業されてるビジターセンター

 ビジターセンターで「飲めるお水汲めるとこないですか?」と訪ねると、自販機はあるけど水を汲めるところはないので、ボトルに汲んできてあげますよといっていただく。有り難く、500mlのソフトフラスク2本に水をいただく。どうも有り難うございました。ちなみに、土産物屋さんの前に自販機があり、少し山の値段ですが購入可能です。

綺麗なトイレが無料で利用できます

 早速、30分弱のビハインド。復路の登り返しがきついことはわかっているので、ヘッデンでの行動は避けたいので、「無理はしない」、「12:30になったら本来の折り返し点に届いてなくとも折り返す」ことをルールとして、自分に言い聞かせて出発します。

日出ヶ岳までのハイキング道

 日出ヶ岳までは通常のハイキング道で、整備されていています。ジーンズとスニーカーのようなハイキングの方もたくさんおられます。早足で進むと、すぐに日出ヶ岳に到着します。

日出ヶ岳手前の森の様子、一部紅葉が始まってます
日出ヶ岳手前の展望台より(尾鷲方面の海が見れます)

 良いお天気で、ハイカーさんも非常に多いです。日出ヶ岳の展望台付近には20名くらいのハイカーさんがおられたと思います。天気もよく、みなさんテンションが上がっています。

本日の最高峰、日出ヶ岳

 歩き始めて30分程度で本日の最高峰、日出ヶ岳。ここから大杉谷に降りて折り返し点のシシ渕は350mくらい。帰りは、「1350mの登り返しか・・・」と少しブルーが入ります。

日出ヶ岳の展望台からの景色

日出ヶ岳~堂倉滝

 日出ヶ岳の展望台は多くのハイカーさんで賑わい、ひっきりなしに次から次へと人が登ってこられます。でも、大杉谷方面に向かわれる方は全くおられません。しばらく見てましたが、大杉谷に向かわれる方は皆無。ですが、今日の目的は大杉谷、心して進みます。

この先、大杉谷。大台ヶ原はもどれ!(確かに誤って降りると登り返しが大変)

 しばらくは、階段あり、ガレあり、やや岩・木の根のテクニカルなどの通常のトレイル。このコース、トレイルランは禁止です。滑落死亡事故が多い上、途中のトレイルは対向すれ違いも難しいためゆっくり進む必要があるためです。ただ、堂倉滝までパートは通常のトレイルで、走らないものの体重移動に合わせて力を抜いて下ると自然に小走りになる、といった状態で進みます。

粟谷小屋へ降りる登山道(沢沿い)

 途中で、粟谷小屋に向かう沢沿いの道と、堂倉避難小屋に向かう尾根沿いの道に分岐します。どちらも大差なく、ほとんど同じところに出ますが、尾根沿いの登山本道の方が楽に走れると思います。(行きは沢沿いの粟谷小屋方面に降りてしまいました。)

粟谷小屋の手前で林道に出る

 粟谷小屋の手前で林道に出ます。林道に出た地点から左に行くとすぐに粟谷小屋があります。登山本道は右方面で、100m程度進むと、左手に登山本道の入り口があります。

林道から左の石垣沿いに左に入ったところが登山本道

 林道をほんの100mほど走ると再び左手の登山本道に入ります。ここからは、堂倉滝まで急な下りトレイルで、木の根や岩の少しテクニカルなトレイルです。ここで、トラブル発生。ラン禁止とはいうものの激下りなので楽に下ろうととすると、どうしても軽く小走り気味になります。そんな状況で、間も無く堂倉滝に着く手前の急勾配の下り岩場で、濡れた木の根に置いた足を滑らせて、頭から「つんのめる」形で転倒。とっさに2~3歩、慌てて前に足を出すも急な岩場で次の足の置き所を探せず、胸から突っ込むよりは背中からになるよう回転しつつ左側面から着地、そのまま背中で1~2m滑り落ちました。

 眼鏡も吹っ飛び、仰向けになったまま、どこを打ち付けたか確認します。とりあえず、左足太もも側面が痛い。かなり強く打ち付けてかなり広範囲に擦り傷があり、少し血が出てるのが見えます。その他、腕や脛に擦り傷はありますが、頭部、胸部や背中は大丈夫。ゆっくりと起き上がり、とりあえず、ゆっくり歩くことはできそうなので、ザックなどを確認して、堂倉滝で必要なら治療しようと向かいます。

転倒直後でかなり動揺して到着した堂倉滝

 堂倉滝の前では2組くらいのハイカーさんが休憩中。その横に私も陣取って、ざっくからレスキューキットを出しながら怪我の箇所を確認します。左足の太もも側面は赤紫色になったうえ、全面的な擦り傷。とりあえず、マキロンぶっかけてキネシオテープを張ってしまいます。腕や脛など数ヵ所も同様に擦り傷、マキロンぶっかけしときます。

 気になるのは、左足小指。かなり強く打ち付けたようで、靴を脱いで指をさわってみますが、指先部分は触るとかなり痛いのですが、関節は動かしても大丈夫で、力をいれても大丈夫。というわけで、決して無理はせず、ここから先はハイキングで行けるところまで進むことにします。

 消炎効果と鎮痛効果でロキソニンを飲もうかと思いましたが、どのくらい痛くなってきたかもわかって行動したかったので、我慢できなくなるまでは、敢えて飲まないことにしました。

光滝~崩壊地~七ツ釜滝

 堂倉滝をすぎると、いよいよ大杉谷らしくなります。「死亡事故多発箇所」や、「滑落事故多発」などの看板が出ます。確かに、ずっと濡れた岩場で、落ちれば「火曜サスペンス劇場」なトレイルが続きます。ただし、危険箇所にはしっかりとした鎖があるので、慎重に鎖をもって進みさえすれば、難しいトレイルではありません。すでに、序盤の何でもないとこで転倒している私は、とにかく油断大敵と唱えながら進みます。

注意を促す看板(「光滝付近」が「七ツ釜滝付近」などに代わって、何度も継続的に看板があります)

 堂倉滝から先は、基本、ずっと危険区間のつもりで、鎖場は鎖をしっかり持ち、一歩一歩慎重に進みます。

鎖場の様子、この辺りは半分くらいは鎖場のような感覚

 鎖場は、谷側に滑落すると、恐らくアウトな区間がほとんど。途中に1回だけ、狭い鎖場での対向すれ違いがありました。お互い、谷側はいきたくないので、大丈夫な区間までかなり戻って対向しました。

低木が右側に映えてますが、その下は崖で10m以上あると思います

 時おり、谷から流れ出る水場があります。明確な場所は忘れましたが、堂倉滝付近と光滝付近に1箇所ずつ、あとは、桃の木山の家を過ぎたあたりに2箇所くらいありました。飲めるかどうかはわかりませんが、私は行きと帰りで、これらの水で3L以上飲んだと思います。(水場で1L持つようにすれば、水がなくなって困ることはないと思います。沢水を飲むことに抵抗のない方は、ですが。あと、タイミングによっては、枯れてる箇所もあるかもしれません。。。)

トレイル横で流れる沢水、ちょこちょこありました
すれ違ったハイカーさん、右上の方に上っていかれました

  とにかく慎重にと思い歩いているので、あまり景色を見る余裕がないですが、ふとみるとエメラルドグリーンの川が広がってたりします。

川の様子、落ち着いてみるとすごくきれいです

 途中、吊り橋は多数(6~7?)あります。面白いのは、かならずその中央付近に野性動物が糞をしていることです。熊でもなく、鹿・ウサギ系でもないので、テンとかイタチでしょうか。大抵の橋の真ん中らへんにブツがありました。(写真は自粛します)

隠れ滝

 途中の光滝付近に崩壊地という箇所があります。崖崩れで長期間通行止めになっていたところを、岩を破砕して通れるようになったというもので、なるべく速やかに通るように看板に記載されています。

吊り橋のゲートに崩壊地通過の注意がかかれています
美しいエメラルドグリーンの川

 崩壊地は、アルプスなどであるような岩場のトレイルです。通過という点では、コースのペイントをしっかり見て進めばさほど難しくなく通過できます。ただ、崩壊したところにトレイルを通しただけなので、確かに今地震が来たら、、、と思うと、速やかに通過した方が良いですね。

崩壊地辺りのトレイルの様子

 崩壊地を過ぎても、岩場の鎖場が続きます。油断せずに進みます。

鎖場が続いて岩場を巻いていきます

 崩壊地を振り替えると、左から岩が崩れてきて川が岩で埋まっている様子がよくわかります。

崩壊地の様子、左から右に川に向かって崩れたもよう
岩場通過しながら足元を見るととてもきれいなグリーン(落ちると死にますがw)
もう怖いとか言ってる場合じゃないくらい次々に吊り橋

 日陰の岩場は苔があり、濡れてて、どう足を置いても滑りそうです。そんなところに、足跡的にコンクリートが置かれています。そこに足を置くと滑ることなく通過できるので、(常にあるわけでもないのですが、)足跡を見つけると喜んで活用させていただきます。

足形的なコンクリが足幅間隔で現れます
七ツ釜滝、少し木が邪魔で全体は見えづらいですが、秋にはきれいそう

桃の木山の家~平等グラ~シシ渕(クグリ)

 七ツ釜滝から先に進むと、桃の木山の家があります。よくもまぁ、こんなところに、こんな大きな山小屋作ったなぁと思いますが、GWや秋の紅葉シーズンなどは100名以上が宿泊されるそうです。この日は良いお天気で、毛布や布団が吊り橋に干されてました。

桃の木山の家 の前の吊り橋

 吊り橋から振り替えって山の家を見ると、「よくもまぁ、こんなとこに」感が一層・・・(笑)

桃の木山の家 かなり大きいです

 この辺りで、お昼の12:00が近づきます。帰りは登り返しのため、12:30をリミットとして、時間までに目標のシシ渕に着かなければ折り返すこととして、進めるところまで進みます。

切り立った岩とグリーンの川

 平等グラは目の前一杯に大岩がそそり立つ景色が圧巻です。広角カメラで撮ってみましたが写真ではなかなかその迫力は伝わりません(笑)

目の前一杯にそそり立つ大岩 平等グラ

 平等グラからシシ渕へは、また危険な岩場です。日陰で足元の岩が濡れているので、とにかく滑りやすい。急がず、注意してゆっくり進みます。なんとか、12:30ギリギリにシシ渕到着。お昼頃が光が入って綺麗ときいてましたが、少し遅かったのでしょうか。光があまり入ってきておらず、写真では良さは少し伝わらないかもしれません。でも、実物は非常に美しく、少しゆっくりして、12:45に折り返して再出発です。

シシ渕(もう少し光が入って水が青ければ良かったですが)

復路(シシ渕~ビジターセンターまで)

 復路は基本的に同じコースの繰り返し、カメラで撮影していた写真の解説中心で、簡単に。

川沿いの濡れた岩場が多いコースで、苔の綺麗なところもありました

 往路は粟谷小屋方面に向かったのですが、帰路は堂倉避難小屋から本道で戻ります。ちなみに避難小屋は設備等はないですが、2段ベッドの非常に綺麗な小屋でした。ただ、宿泊施設ではありませんとかかれていますので、酒持ってきたら宴会できるな、とかは禁止です(笑)

堂倉避難小屋、緊急時専用です
毛布などはないですが、非常に清潔できれいな内部

 ちなみに、堂倉避難小屋からすぐのところに、粟谷小屋があり食事つきで宿泊することが可能です。

しゃくなげ坂の階段

 日出ヶ岳に戻る途中、しゃくなげ坂、しゃくなげ平へ急登がありますが、階段が多し。この頃は左足小指がかなり痛く、左足の外側に体重をかけれなかったので、逆に淡々と階段を登る方が痛みが少なく、粛々と上ります。

しゃくなげ平をすぎるとラスボスの日出ヶ岳を残すのみ

 日出ヶ岳近くまでもどると16:00を過ぎています。山の景色は夕方で、少し焦りながらも、美しい景色を眺めながら進みます。

夕方の美しいトレイルを進みます

 日出ヶ岳への最後は延々と続く階段。いくつあるのか数えてみると、700段以上ありました(笑)

ピークが見えました、あそこまで行けばと頑張ります

 なんとか、16:30頃に日出ヶ岳に戻りました。足の怪我などでペースは落ちたものの、登りは着実にしっかり登れたので、予定の時間より30分程度早くもどれました。

夕方の日出ヶ岳

 朝はたくさんのハイカーさんで一杯だった日出ヶ岳山頂も、この時間は誰もいません。束の間の貸しきり山頂を楽しみます。

日出ヶ岳から東向き(尾鷲から海方面)
日出ヶ岳から西方面

 正木ヶ原方面を見ると、すでに一部紅葉が始まっていて、西日に照らされ綺麗です。

一部、すでに紅葉が始まっています

 日出ヶ岳から、もう少し余裕があれば少しハイキング道も回りたいところですが、時間も遅くなりましたし、なにしろ、ほとんどビッコを引いて歩いている状態なので、早く駐車場に向かうことにします。

なんとか駐車場まで戻ってきました

 森の中はだんだん暗くなる時間帯ですので、駐車場が見えてくるとほっとして嬉しくなります。駐車していたバイクに戻って早速着替えると、かなり寒い。長袖シャツにウィンドブレーカの上に、ゴアのレインコートを着てちょうど良いくらいでした。帰りのバイクは、少し寒いくらいです。少しでも日の残っている間に、下りたいと思ったので、着替えてすぐにバイクで大台ヶ原ドライブウェイへ向かいます。

大台ヶ原ドライブウェイから見た夕陽

 大台ヶ原ドライブウェイを走っていると、ちょうど夕陽が沈むところ。ドライブウェイ脇の駐車スペースにて、バイクにまたがりながら夕陽を眺めます。まだここからが長いバイクの旅ですが、無事に帰宅できました。

 今回のトレイルでは、不注意の転倒がありましたが、幸いにも、大きな怪我には至りませんでした。油断だったのか、技術の低さだったのか、疲労だったのか、、、たぶん全てだと思うのですが、改めてしっかり注意して山を楽しみたいと思っています。

 今回も最後までお読みいただき有り難うございました。

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