ロングトレイルの練習が必要な私、先週の京都トレイルの暑さが酷かったので、涼しそうな吉野方面ということで大峯奥駈道(四寸岩山~大天井~山上ヶ岳~大普賢岳~行者還岳~弥山~八経ヶ岳)に行ってきました。先週に続き、パイセンにお付き合い頂いたのですが、ユキティーとも約束されていて、今回のコースは女人禁制区間があるのでどうしようかとなり、、、苦肉の策で洞川経由で弥山合流する組との2組に別れる計画で調整頂いたとのことで、皆様、いろいろとご配慮・ご協力を有り難うございました。
コース概要
行った日: 2022年8月5日 23:30 ~ 6日 15:30 (約16時間)
行った人: パイセン、ウエッチ(大峯奥駈)
ユキティー、ぐっちゃん(大天井岳~洞川~弥山~川合)
距離など: 50.71km、累積標高 4,624m
(ユキティー・ぐっちゃんは52kmだったらしい、負けてるやんw)
スタート(吉野駅)~五番関まで
終電少し前の電車で吉野駅に集合。吉野駅直前の近鉄電車は例によって貸しきり状態、弱冷車にもかかわらず異常にエアコンが効きまくった車内には、8月だというのに雨具を着た4人組が少しでも仮眠をとろうとしていました。
吉野駅でトイレや身支度を済ませ、23:27の出発。まずはロードで金峯神社まで登り、トレイルに入って青根ヶ峰から四寸岩山を目指します。ロード区間は急登部分は除いて、ゆっくりでも、なるべく走って進みます。天気は曇りでしょうか、この季節としては比較的涼しく、走りやすいコンディションです。
青根ヶ峰からトレイルに入り、そこそこ厳しい急登を頑張って登り、四寸岩山へ。
四寸岩山から大天井岳方面に下り、大天井岳はピークに向かわず巻き道で進みます。大天井岳の登りは急登で時間もかかることもありますが、巻き道には2箇所の水場があり、補給もできるメリットがあります。ただし、この巻き道、意外に長くて時間がかかるのと、片側が切れ落ちた崖で、危険箇所がかなりあります。山と高原の地図では破線ルートになってました。慎重に進めば問題ありませんが、注意が必要です。
所々に橋(はしご?)など整備されてますが、落ちたらアカンやつのわりに簡易なもので、雨で濡れた木で足を滑らしたらとびびりながら渡ります。
大天井岳の巻き道の水場はいつもしっかりと出ています。(枯れていたと聞いたことがありません。)確実に流れてるので、ここでの補給は欠かせません。この日は午後に大雨だったので、滝になってるんちゃうかと言ってましたが、普通に流れている感じでした。
五番関から山上ヶ岳
大天井岳巻き道が終わると五番関です。大峯奥駈道はここから女人結界となるので、ユキティーとはお別れになります。ユキティーとぐっちゃんは、ここから洞川に下りてロードを走り、熊渡から弥山・八経ヶ岳に登り返すルートへ。パイセンと僕は、大峯奥駈道を山上ヶ岳方面に進み、うまくいけば弥山で合流の予定。とはいえ、つい先日まで、ヘルニア寝たきり老人だった私、練習不足でそんなにうまく弥山まで辿り着けるか不安を抱えて、2組に別れて出発です。
夜明け前に、松清茶屋に到着。トイレなど少し休憩して、別行動の2人に向けて現在位置をメッセンジャーに入れようとしますが、楽天はアンテナが立たず。ドコモは1~2本、アンテナが立ってましたが、私の携帯は音声通話がドコモで、データ通信は楽天という特殊な状況、諦めて先に進むことに。
西の覗きに着く頃には日が完全に明けていました。この辺り、ガスガスになったり、風が強くて寒かったりするのですが、この日は寒くもなく、風もなく、静かな朝でした。コンディション的には非常によかったです。
朝の時間が早かったようで、本堂はまだ開いていませんでした。扉の外から、今回の安全をお願いして、少し休憩をとって、先に進みます。
小笹の宿・大普賢岳
山上ヶ岳から大普賢岳に向かう途中の小笹の宿までは、下り基調で走りやすいパートです。最初は笹の間の綺麗なトレイルが続きます。ただ、笹で足元が見辛く岩や木の根が隠れていたり、朝露で靴がびしょ濡れになるなど、走ってるとさほど気持ち良いわけでもないのです(笑)
次第に、苔の多い森のような景色になってくると小笹の宿が近いです。小笹の宿はジブリの「もののけ姫」や「トトロの森」のイメージで、私は好きなところです。また、ここの水場も常に枯れることなくしっかり出ているので、補給に不可欠なポイントです。
大峯奥駈道の水場は、行者還岳に行者の雫水という水場があったのですが、以前から枯れていることが多く、ここ最近は塩ビのパイプも外れてしまっていて、出ているのをみたことがない状況。よって、小笹の宿の次となると、もう弥山の小屋で分けていただく(購入する)までありません。夏場であれば、1.5~2.0L持った方が良いですね。
大峯が久しぶりの私、そういうことはすっかり忘れていて、1.0L分のソフトフラスクしかもっていません。まずはお腹に0.7Lくらい詰め込んで、1.0Lフラスク満タンで出発しました。実はこの日は結果的に、行者還の水場が出ていて補給できたのですが、恐らく、行者還で水の補給ができてなかったら、弥山の最後の登りで難儀したことと思われます。
小笹の宿はかつての小屋か何かがあったのかと思っていましたが、江戸時代までは大きな宿坊があり、多数の建物が建っていたと聞きました。そういえば、開けた草・苔の平地になってますし、石の階段なども残っていて、この辺り一体が賑わっていた跡がうかがわれます。水の少ない大峯にあって、常に潤沢な沢水が流れるこの地に宿坊があったというのも頷けます。
小笹の宿をすぎると、枯れた川のようなガレたトレイルを延々と登り続けます。最後、大普賢のピークを通るルートと、巻き道の分岐に出ますが、我々は迷うことなく巻き道を選択(笑) 大普賢を過ぎた鞍状部の展望ポイント「水太覗」で、補給休憩をとります。
午前中は曇り、昼頃から雨という天気予報でしたが、この時点は良いお天気で美しい山なみを楽しむことができました。
行者還岳
大普賢を越えて行者還岳へは、最初は笹のトレイルなどの小さなピークを越えていくトレイルですが、徐々に大峯奥駈らしい岩稜&鎖が現れます。この日は、岩も少し濡れて滑りそうな状態で、弱っている私は安全第一でゆっくりゆっくり進みます。
鎖場の多い七曜岳を抜けると、小さなピークを2、3越えたら行者還岳です。ガレガレ、降りにくい梯子を降りると水場です。どうせ出てないだろうと諦めながら見ていると、パイセンが出ている塩ビパイプを発見。いろいろ水場修復が試みられたようで、塩ビパイプが何本もあるのですが、そのうちの一本からチョロチョロですが、しっかり水が出ていました。しっかっりとフルで補給しました。
行者還岳には、しっかりとログハウス風の避難小屋があり、以前に仮眠などしたこともあります。この日も、ロキソニンが切れてきてヘルニアの痛みが出てきたので、避難小屋で休憩と共にロキソニン補給をしました。なお、ここも携帯電話のアンテナは立っていませんでした。
弥山・八経ヶ岳から下山
行者還岳から弥山までは、大きなピークはありませんが、尾根上の小ピークを幾つも越えていく感じです。力のある人なら、多くの部分は走り通せるかもしれません。弱っている私は、大した登りでなくともキツくて、当然歩きですが、ゆっくりでも登り続けるように耐えてました。
最後の弥山への登りは地図時間で50分の急登、パイセンにポールを1本貸してもらって、必死に上りました。ここばかりは、いつきても本当にきついですが、最後に弥山小屋の屋根が見えると本当に嬉しくなります。
さて、別れた二組が弥山で合流する予定でしたが、携帯電波の都合で途中経過がほとんど発信できていないし、先方の状況もわからない。果たして・・・
疲れ果てて弥山小屋に到着すると、ユキティーとぐっちゃんの姿が!ずいぶん待ったんじゃない?と聞くと、二人も少し前についたばかりらしい。まさに奇跡の合流(笑) 聞けば、ある程度、時間があうように調整して行動してくれていたらしい。私達の方は、少しでも早くいかなきゃと、かなり必死で走ってきた結果ではあったのですが。とにかく、良かった!
弥山小屋で、コーラ(300円)・カップ麺(300円+お湯100円)をいただき、下り用に水(100円)とパン(300円)を購入。優しい小屋のご主人に、下山後の天川川合バス停のバス時刻も教えていただく。(天川川合から近鉄下市口へ、土曜の午後はほぼ1時間に1本程度あり、最終は18:30頃でした)
八経ヶ岳から川合バス停までは、ほぼ下りで走れる区間もかなり多いのですが、ひたすら長く感じます。(いえ、実際、長いと思います)中間点辺りの栃尾辻になかなかつかないですし、そこからもまっだかなり長いのです。
栃尾辻を過ぎた辺りからポツポツと雨が降りだし、川合に着く頃には大雨に。まぁ、汗でボトボトのシャツで走ってたのであまり気にはなりませんが、靴・足がドロドロになりました。
本当は洞川温泉で汗を流して帰りたかったですが、洞川までロードを走る時間(終バスに間に合わない)も体力もなくなってしまいました。天川川合バス停横の観光案内所のトイレで着替えて、天川川合から近鉄下市口行きのバスに乗ることにしました。
電車乗り換え待ち時間があったので近所のコンビニでヨナヨナエールを買ってとりあえずお疲れ乾杯。そのあと、橿原神宮前駅ナカにて軽くほろ酔いセットなどで乾杯して、今回も解散となりました。
ヘルニアの具合は一進一退で、この日も帰ってから痛みだしたのですが、うまくバランスを見ながらトレーニングをしたいと考えています。今回は50kmなので、UTMBの1/3にも満たないのですが、それでも大峯早駈コースを通せたのは嬉しかったです。お付き合いいただいた皆様、どうも有り難うございました。
今回も、最後までお読み頂き、有り難うございました。